小山を語る2 「驚くべき根性」 建武館 館長

驚くべき根性

キックボクシングを習い始めた小山は努力家でとても実直な性格。それが練習態度にも表れていた。こいつに空手衣も着させたい。そう思うようになった。

通い始めて一年が過ぎたころ、小山に聞くことにした。すると「やります」という返事。小山は空手も始めることになった。忘れもしない平成16年6月24日、小山と組手ができるようになったのだ。

当時、高校1年生だった小山はまだ体もできておらず、テクニックも上達途中だった。だけど根性だけは他の追随を許さぬものを持っていた。

まだ先代館長が現役で指導している頃。稽古の締めくくりに行う自由組手では黒帯が一列目、色帯が二列目で並ぶ。ひと組目の組手が終わると、色帯が右に移動して一つ上の黒帯と組手をする。

何度かやると、あとはやりたい人と自由にやれる。自分より格下とやる者もいれば、終わって見学する者もいる。そんな中で、必ず小山は自分より強い格上の先輩に組手を申し出る。

小山は私との実力差はまだ歴然としていて、組手をやるとローキックでペシャンコになった。私の次に、左隣にいる館長(当時)に移り、組手指南を願う。もちろん私以上に、もう枯葉がひらひら舞うようにー大袈裟に聞こえるが本当にー崩れ落ちていた。

ところがそれで終わらないのが、小山だ。また私、館長と…。そして三度、私の所に舞い戻って組手を願ってくる。これが小山の本領、真骨頂。こんなに挑んでくる後輩は、後にも先にも小山ただ一人。驚くべき根性。
 

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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