学生時代はボロボロに破れた羽織袴と高下駄で通学。
そんな姿での往来で、さぞご近所は迷惑千万だろう。
そこで、せめてもの償いにと、
通学前に、早朝の落ち葉拾いを始めた。
ご近所に迷惑をかけている分、
努めて人の為に何かしようと思ったのだった。
さて…。
道場では気合いも返事も大きな声を出させている。
自分も周りも元気になるからだ。
でもそれは道場の中だけ許される話。
外での大声は、ご近所は認めてはいない。
もしかしたら夜勤で眠っている人がいるかもしれない。
病気で寝込んでいるかもしれない。
道場の3階の住人さんに至っては毎晩遅くまで、
サンドバッグやタイマーの音に頭を痛めているだろう。
そんな想像が、できる人になってもらいたい。そして…
外掃除が、その、せめてもの償いなんだと気づける人に。
建武館では、
そんなことも願って、外掃除を毎回行っているのだ。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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