多くの方々に支えられて演武を行うことができた。
ここに改めて感謝とお礼を申し上げたい。
ところで。
演武のご依頼を喜んでお引き受けする理由がある。
それは第一に、子ども達にとっての励みとなるから。
そしてあと一つある。
空手の本当のよさを知ってもらう機会となるからだ。
そのために行うのがナレーションだ。
空手に対する想いをナレーションで語らせている。
観衆や子ども達が聞き届けてくれたかどうかは別に、
演武の合間には必ずナレーションを入れている。
これがなければ演武の目的がかすれてしまう。
技だけでなくこころの部分も披露するのが目的だから。
今回は、「建武館の標語とアンパンマン」について。
以下、本番で語ったナレーションそのままを載せる。
建武館の標語は、「今、必要なのは弱者へのやさしさ、損をしても正しいことをする正義感」。そこで思い出すのが、みんながよく知っているアンパンマンです。
アンパンマンは自分の顔の一部を食べさせました。子どもにとってはドキッとするようなシーンですが、確かに食べさせていました。
作者のやなせたかしさんが絵本の後書きでこのように語っています。
『ほんとうの正義というものは、決してかっこうのいいものではないし、そしてそのために必ず自分も深く傷つくものです。空腹の人に顔の一部を与えることで、悪者と戦う力が落ちると分かっていても、目の前の人を見捨てることはしない。かつそれでありながら、たとえどんな敵が相手でも戦いも放棄しない―。』
・正義を守る
・弱い者の味方をする
・そして、それは犠牲を払ってでも行う
これがアンパンマンのテーマでした。建武館の標語は、まさに、アンパンマンのテーマと同じなんです。
これからも建武館は、弱者へのやさしさ、損をしても正しいことをする正義感を子ども達の心に刻みつけていきたいと思います…。
この、やなせたかし氏のことばを聞くと、
ふと、おやじの言葉を思い出す。
ふと、おやじの言葉を思い出す。
「弱い者いじめをしている者が目の前にいたら、
それを止められるかどうかだ。男気を持て」
正義のためには自分も深く傷つく。
その覚悟を身につけるための空手でもある。
そんなことを、おやじから教わった気がする。
今になって思えば、だ。
これからも、空手っていいんだぜ!ということを、
声を大にして世の中に語り続けていきたい。正義のためには自分も深く傷つく。
その覚悟を身につけるための空手でもある。
そんなことを、おやじから教わった気がする。
今になって思えば、だ。
これからも、空手っていいんだぜ!ということを、
空手に救われたわが身にとって、
この活動はもう、一生をかけた仕事だ。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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