『貧乏くじを選んだM少年』 17

2011-01-11

親友から無理難題を押し付けられたM少年。もしバレれば大ごとです。
しかしM少年はそれを覚悟の上で気持ちよく引き受けます。

それゆえに、土壇場で裏切られた悔しさは相当だったでしょう。
しかしM少年が首謀者はH君だと打ち明けなかった。
なぜでしょう。

私は思います。

世の中には自分の都合のいいことだけを続けざまに言い立てる者がいます。
そういう人間に私はうんざりします。
よくもまぁ自慢話ができるもんだと。

調子のいい人間は社会に出たら上司に気に入られて出世するかもしれません。
口下手は相手に分かってもらうだけの語彙が足りないので誤解を受けやすい。

ふつう人は誤解されたままでは気がおさまらないのでどうにか誤解を解こうとします。
しかし私は何かトラブルがあっても、
「まぁいいや」
と途中であきらめてしまう時があります。
わかってくれる人がいればいい。
と悠然としてしまう所があります。
誤解を生む原因がそこにあるのはわかっていますが、しかしやりません。
そこには、

功は人に譲れ。
貧乏くじを引け。

という考えが根底にあるからだと思います。
M少年が首謀者がH君だと打ち明けなかったのも、そんなところにあったのではないか。

苦しみや災難を受け容れるのは、言えてなかなかできないことです。
しかし、そういう達観した人になりたくて、試行錯誤している最中です。

M先生は、子どもの頃に誓った
“友達を絶対裏切らない。見捨てない”
という心が、大人になって
“世のため人のためにど真面目に働く”
ことにつながったのだと思います。

思いつくままに。

建武館 篠田剛

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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