『褒めてあげられる親の幸せ』94

2011-08-03


建武館では、年に3回、春、夏、冬に審査を行っています。
この時期は夏の審査。
年少空手コースは8月1日から審査が始まりました。

初めて審査を受ける子の中には、
相当な勇気を振り絞って受ける決心をした子もいたでしょう。
その勇気を讃えたいと思います。

組手で殴られれば痛い。蹴られたらもっと痛い。
それを歯を食いしばって我慢している姿をみると、
“よく頑張って耐えたな”と抱きしめてやりたい。

道場はガラス張りになっていて外からも中の様子を見ることができます。
しかし、中にいないと感じることのできないものがあります。

それは、子どもたちの息遣いです。
蹴られたときの鈍い音も聞こえないかもしれません。

大きくて力強い子が相手の太ももめがけて思い切りローキックをすると、
床はかすかに揺れます。
床に座って見学しているお母さんなら、
そのかすかな振動を感じるかもしれません。

その振動を威力に置き換えることができたとき、
どれだけ痛かったのだろうかと察することができます。
特に、我々は、その痛みを経験しているだけに、
音や振動で、我がことのように痛みが伝わります。

道場の中に居れば、その痛みに耐えて、耐えて、
心の中では泣き叫びたくても表情には出さず。
懸命に堪えている心境が読み取れるので、
もう少しで終わる、辛抱してと、心から応援できるのです。

だから、たとえわが子が、組手で殴られ蹴られして後ずさりしたとしても。
傍から見れば無様な姿に映るかもしれないけれど、
温かい拍手を贈ってあげることができるのです。

よくぞ頑張った!
そう褒めてやることができるのです。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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