2011-02-27
平成11年1月、二男が生まれました。
命名は相当悩みました。
重職にある者の必読の書といわれる佐藤一斎「重職心得箇条」。
この書にこうあります。
人物の第一等は、深沈重厚である、と。
深みがあって落ち着いていて、
厚みと重みがある人物が第一であると言っています。
そういう人は枝葉末節にこだわらない。
小さいことにこせこせしない。
常にどっしりとしています。
その人がいるだけで人の心が鎮定してしまいます。
問題があっても何となく収まってしまうのです。
こんなことから、私は
“大らかに生きる”ことの素晴らしさを覚えました。
わが息子には、そのような人物になってもらいたい。
そこで名を「大生」とつけることにしました。
あなたの周りに、苛立っている人が多くなっていませんか。
人を蔑んだり見下したりすることで、
自分を居心地良くする人いませんか。
みんな自分のことで精一杯だから、
人の気持ちを汲んであげることができないんです。
だから“私のつらい気持ちをわかって”の裏返しで、
そういう態度をとってしまうのでしょう。
こんな時代だからこそ、大らかさが必要です。
人の心を落ち着かせてくれる深沈重厚な人物が必要なのでしょう。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。