2011-02-26
段位審査のときもそうですが、
上の立場にいると、教わるということが非常に少なくなります。
参考書を読んで独学することばかりです。
アドバイスをもらいたい!と思っても周りにはいません。
頼ることができない中で結果を出さなくてはなりません。
十代からずっと最上級者だったため、稽古相手はいつも後輩でした。
自分より強い人がいないので、技の上達は頭打ちになります。
試合に出てもいい結果が出なくなり、スランプに陥りました。
悩んでいるとき自宅のテレビを何気なく観ると、
スピードスケートの橋本聖子選手が映っていました。
たしかニュースの特番だったと思います。
橋本選手は小高い山を駆け上がり、
それはもう必死の形相で一人黙々と特訓していました。
それを観ていたら、
“女があれだけやってるんだ(失礼!)、
悩んでいたって変わらない”
と思い始めたのです。
なにか行動を起こそう。
私は無我夢中で大塚にある角海老ボクシングジムに通うことにしました。
自分の殻を破りたいという一心からのことでした。
そうこうしているうちに、
だんだんやる気と自信がとり戻ってきたのでした。
橋本聖子選手のおかげです。
なにか行動を起こそう。
この考えは非常に良かった。
なんでもいいからやってみる。
そうすればなにか活路がみえてくるものです。
失敗したって構わない、思いつきでもいい。
スランプに陥ったら、なにか行動を起こそう。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。