2011-02-25
財団法人全日本空手道連盟の公認四段位を取得することにしました。
平成10年のことです。
審査項目は型と組手です。
組手はこれまでの実績がありますので自信はありました。
しかし型は全空連が指定した型8つの中から1つを選ばなくてはなりません。
会派によって型はまるで違います。
私がいた研修会でも独自の型をやっており、
指定型は取り入れていませんでした。
したがって、一から練習しなければなりません。
当時、会長という立場におりまして、
見栄を張って今更誰にも教われませんでした。
結局、市販の型ビデオを購入して自宅で独学することにしました。
ビデオを何度も何度も巻き戻ししては動きをチェックしていましたね。
型審査は複数の審査員を前にして、
100人以上の受審者の視線を背中に感じながら一人で演技します。
チャンスは一度きり。
いったん始めればやり直しはできません。
不安に思いながらやっていては技を間違えたり忘れたりしてしまいます。
実際に、緊張のあまり後ろの正面を向いて終わってしまった人もいます。
飽きるくらいしつこく練習しなければ、
自信に満ちた型は披露できないものです。
これでもかと思うほど練習をして自信という信念を固めます。
それではじめて人前でも臆せず振る舞えるようになります。
私は現役の選手時代、
“俺の型を見よ!”
と思って演技していましたね。
そういうときはやはり優勝できました。
審査の結果は合格。
私は全空連四段を取得しました。
このあとも、五段、六段、と取るつもりでした。
しかし研修会を離れた私は、
この四段が全空連としては最後の段位となりました。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。