2011-07-30
2011年6月に改正介護保険法が可決されました。
現行では、ヘルパーの訪問が1日1回だけなので、
独居高齢者は自宅生活に不安を感じていました。
それゆえ特養老人ホーム入居を迫られ、
よって入居待機者が42万人に上ってしまったのです。
可決された背景には、
この待機者をどうにか減らしたいというものがあります。
施設で受ける介護のような24時間対応が可能となれば、
住み慣れた自宅でも安心していられるでしょう。
この可決で期待することがあります。
それは、これまで保険給付外だった生活支援サービスが、
今後は併せて提供できるようになることです。
つまり、介護予防のための「見守り」などのサービスが、
総合的に手掛けられるようになります。
よってそういった介護予防のサービスが充実するものと思われるのです。
しかし私はそれだけでは不十分、
もっと先回りしなければならないものがあると感じます。
おわかりでしょうが、
それは「介護を要する状態にならないようにする」ことです。
私の推奨は、
「定年を迎える前」から元気で居続けるための運動をするということです。
年金の受給年齢が65歳に引き上げられるので、
いつまでも元気に仕事ができなくてはならなくなりました。
いいですか。45歳を過ぎると足腰はガクンと衰えます。
ですので、だからこそまだ元気なうちに、
適度な運動を徐々にしていくことが何より重要なのです。
今まで運動経験のない人が、いざ急にやり始めれば、
それは過度なストレスとなるだけです。
より不健康になってしまいます。
介護の世話になりたくない!だけど靴下を“片脚立ち”で履けない…
という人は運動を考えるときです。
筋力に衰えを感じたら、それがシグナル。
そろそろ重い腰をあげる潮時かもしれません。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。