『感謝の気持ちと いとわぬ苦労』86

2011-12-25

とても寒い冬空を夜通し歩き続ける。
なんでそんなことをさせたのでしょう?

いくつか理由がありますが、
その一つが「感謝の気持ちを持たせる」ためです。

寒いし眠いし疲れるし、快適な環境からかけ離れていて、
つねに不便を強いられます。
すると、今こうして当たり前のように生活していることが、
とても便利だというのがわかります。
そう。ありがたく思えて、感謝できるようになるのです。

そして、「苦労をいとわないようにさせる」ためにもやります。
徹夜行脚はとても大きな苦労がいります。
大きな苦労を経験することで、小さな苦労はいとわなくなるものなのです。

我が家の家訓のひとつに、
人の嫌がることも進んでやること
という一条があります。

人は誰もが楽をしたいという気持ちを心の片隅に持っています。
いやなことは避けてつい楽な道を選んでしまうものです。
それを、敢えて自分から進んでいやな道を選ぼうというわけです。

身近な例でいえば、
トイレ掃除と窓拭きのどちらかを選べと言われたら、
迷わずトイレをとるということです。
荷物運びで軽い荷物と重い荷物のどちらかを運べと言われたら、
軽い方は仲間に渡し、重い方は自分が引き受けて運ぶということです。

それは自慢でもなければ、嫌味でもありません。
義務感とか、しぶしぶやるとか、後ろ向きなものでもありません。
むしろ、積極的で前向きな心の表れです。

普段からそうしていると、
嫌なことばかりふられて損な役回りになることもあるでしょう。
しかし、損ばかりだと思わずに、やり続けるのです。

すると、自分の中にプライドというものが備わってきます。
自信もついてきます。
それに、つらさが分かるゆえに、
何よりも他人のつらさを我が事のように思えるようになります。
そうしていくうちに、だんだんと仲間からも一目置かれ、
信を得るようになるものです。

徹夜行脚。
とてもつらくてヘトヘトになります。
それでも、“行ってみたい!”という子がいたら、
いつかやってあげようと思っています。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日書いていますので、よろしければ明日もまた読んでみてください。
■……………………………………………………………………………………
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
■……………………………………………………………………………………

前のページ 次のページ

※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

お問い合わせ

無料体験・見学お申込み、お気軽にお問い合わせ下さい
  • 電話番号: 03-3962-4206
  • お問い合わせ