2011-12-24
考えてみれば、私は子ども達に、
空手に関係ないことをよくやらせていますよね。
たとえば…。
街頭のごみ拾いなどはちょくちょくやります。
正座でガマン大会もやりました。
一年で最も寒い日といわれている大寒の水かぶりもやりました。
誰かが小便をたらしたり糞をこびり付かせたりしていたら、
トイレの手磨きもやります。
米粒を残さず食べさせキックミットを枕代わりに、
禅寺のような道場合宿もやりました。
いずれ徹夜行脚もその恒例行事の一つになるでしょう。
あと、麦踏みもやってみたいですね。
そして富士登山。
確かに、空手道場なのだから、
いかに強くさせるかを最優先で考えるべきでしょう。
強くさせなくてよいのなら、坐禅やヨガを教えていればよいのですから。
しかし、強くさせると同時に、
こういったことを経験させるからバランスがよくなるんです。
空手は強くなった。それがどうした?
強くなって終わりか?
いつも思います。
たとえば強くなるために人の何倍も努力したとします。
だけどそれはあくまで自分のためなんですね。
世界チャンピオンが暴力事件を起こした、というニュースは昔からありました。
強くさせるだけではだめなんですね。
社会に出ても通用する人にさせる。
いっぱしの大人になっていい人生を歩ませる。
そういう道場を作りたいんですよね。私は。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員
介護予防サポーター こころの健康サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。