2011-07-23
人は劣等感をもって生きられません。
だからそれを解消するための行動をとります。
ある人は好きなものに打ち込みそこから得た自信で劣等感を解消します。
しかしある人は、羨ましい対象者の足を引っ張ったり、
反論できない弱者をけなしたりして心の安定を求めます。
前者は自らの努力によるものですので自分自身が向上します。
しかし後者は自分が向上しないばかりか人の心を傷つけてしまいます。
後者は自分の心の平静を保つために、
自分の居心地が悪くならないようにするためにとる行動です。
だから、けなされた人がそのあとどうなってしまおうが、
知ったことではありません。
このように劣等意識が高じると、他人を傷つけてしまうこともあるのです。
大変危ういです。
劣等感を持つ人が努力をする方を選ぶことが、
いかに大事であるかがわかります。
しかし、努力というモチベーションを維持し続けるには、
自分ひとりの力では難しいものです。
それだけに同じこころざしを持つ仲間が必要です。
その仲間が集まる居場所が必要なのです。
努力をする人たちと交われば感化されて自分も努力するようになるでしょう。
麻の中の蓬、ですね。
道場に来れば努力する人たちがたくさんいる。
そういう環境を作ることが私の役目です。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。