『協力雇用主の新しいかたち』84

2011-07-21

体力をもてあましている血気盛んな若者に、
そのエネルギーを使ってもらう。
それがきっかけで非行や犯罪に走らず、
まっとうな仕事をやってみようと思うかもしれない……。

村田さんは協力雇用主を勧める理由をこのように話してくれました。
彼らをまったく別の角度から支えるという提案は、
とても新鮮でやりがいのあるものでした。

自分自身、体を動かして感じることがいろいろあります。
それは、この提案がうまくいくだろうと思えるような、
空手の実効性を予見できるものばかりです。

たとえば仕事のトラブルで気持ちが落ち込んだり疲れたりしても、
指導で道場に行かなければなりません。
重い足取りで指導を始めますが、
ひとしきり汗をかいて動き終わってみると、
気持ちはスッキリ高揚しています。

ほんとうに、こまかいことに気を患っていたのが、
ばからしくなるくらい大らかな気持ちになれます。
そして人の意見などを肯定的に聞き入れることができるようにもなれます。

また、自分を律するという習慣を身に着けることもできます。
薬やギャンブルに依存してしまう者も自分を厳しく律することを覚えれば、
自分を変えることができます。

このように、空手の効用は実に多いのです。
村田さんのこの提案は、
協力雇用主の新しい切り口、かたちとして確立されるかもしれません。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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