2011-06-30
殴り合いを通して培った友情こそ本物です。
でもそれは昔の話。
今、殴り合いをしたらもっと仲が悪くなってしまいます。
中途半端な仲で中途半端な殴り合いをするからでしょうか。
殴り合う理由や原因が、
くだらない、情けないものになってしまったからでしょうか。
あこがれや理想とするものが時代とともに変わっていったからでしょうか。
それとも気骨のある男が少なくなったからでしょうか。
あこがれの対象は、親からの話や本などからの影響に左右されるものです。
したがって、子どもに何を言うか、何を読ませるかは大事なことです。
本といっても難しいものでなくてもいいんじゃないかと思います。
私の場合、“マンガ”から入りましたから。
ガキの頃、“カッコいいなぁ”と読んでいたマンガはいくつもあります。
中でも本宮ひろ志が描いた「大ぼら一代」や横山光輝の「あばれ天童」は、
心躍らせて読んでました。
あばれ天童は兄のものを借りて読んでいました。
主人公の山城天童が、当時の兄にどことなくタイプが似ていて、
兄とダブらせて読んでましたね。
天童のケンカには「義」がありました。
だからケンカをしても禍根を残しません。
そればかりか、彼を慕ってついてくる者も出てきます。
さて少年よ、青年よ、そんなケンカが存在することを知っているか?
そんなケンカをしたことがあるか?
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。