2011-02-04
準優勝した翌年9月の全国空手道選手権大会。
会場は神戸から大阪府立体育会館に変わりました。
この年は、地元の先輩後輩が大ぜいで、
応援に駆け付けてくれることになりました。
車に乗り込んで夜通し高速道路をかっとばして、
来てくれるというのです。
格闘技の有力誌にあった「今年度各種大会の優勝者予想」のコーナー。
連合会の大会の欄には私の名前が載っていました。
準優勝だったのに私の名前。
これは“絶対に俺の実力が認められたんだ”
そう思っては、鼻高々でした。
浮かれ調子で会場入りしました。
“あいつが優勝候補だ”そう噂しているに違いない。
俺を見る目が違う、と。
一人勝手に思い込んでいました。
さて試合。
優勝候補だった私は…、
ベスト8に終わりました。
それも、駆け付けてくれた先輩後輩が体育館に到着する前に、
負けてしまったのです。
観客席で待つ私は、彼らに合わせる顔がありませんでした。
私は考えさせられました。
ちやほやされていい気になっているとしっぺ返しをくうぞ。
人間万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如しというじゃないか。
一時の幸・不幸に一喜一憂しちゃいかん。
そんな思いを至らせた3年間でしたね。
そして、私はつくづく思う。
私にとって“こんちくしょう”はエネルギーなんだな。
建武館 篠田剛
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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。