『雪辱を果たす』74

2011-02-03

連合会の全国空手道選手権大会決勝戦。

試合場には窓から差し込む西日がまぶしく注いでいました。
それが逆光となって相手の顔が真っ暗になってしまいます。

そこで自分に有利なポジションをと西日を背に戦いました。
まるで宮本武蔵気取りでしたね。

それだけ心に余裕があったのでしょう。
実際、常に私が主導権を握った試合運びになっていました。

しかし。
私は、やはり私らしい結果で締めくくってしまいました。

試合をコントロールして、そろそろ勝利が見えてきたその瞬間、
勢い余って私の拳が伸びて顔面にヒットしてしまったのです。
相手は鼻出血をして、私は反則負け…。

負けは負け。

だけど内心は、結果として反則という味噌を付けたものの、
実力では決して負けていなかったという自負もあり、
連合会という名の通った団体での準優勝、
心の片隅では晴れがましく思いました。

今回の大会を振り返って考えるに、
プレッシャーや気負いもなく対戦できたのは、
あの三人組との練習の成果にほかなりません。

雪辱を果たした!
彼らに結果を連絡したら、心底喜んでくれていましたね。
東京へは飛行機で帰りましたが、迎えに行きますと言って、
彼らはわざわざ羽田まで私を迎えに来てくれました。
あの時は本当に嬉しかった。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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