『情けなさと悔しさで涙、涙』68

2011-01-28

反則負けが続いた私ですが、
昭和58年に埼玉県大宮市で開催された大会を皮切りに、
型や組手の試合で優勝するようになりました。

その勢いに乗って、昭和60年に、
連合会という大きな組織の全国大会に駒を進めることができました。

これまで試合に勝ち続けていた私は、秘かに勝つ自信がありました。
会場はたしか神戸ポートアイランドワールド記念ホール。

試合は朝から始まるため、
前日からビジネスホテルに泊まり込む必要があります。
宿泊費や交通費は、有難いことに兄が負担してくれました。
負けてはいられません。

しかし……
初戦敗退。

たった数十秒でおしまい。
情けなかったですね。

みんなの期待を背負い、兄からも援助を受け、
前日からの泊りがけで兵庫まで行ったのに、
わずか1分足らずで終わってしまいました。

戦いに敗れて天狗の鼻をへし折られた気分でした。
みんなの前では隠していても、
一人になるともう悔しくて、たまらなくて、
情けねぇ…
涙、涙が流れました。

私の兄弟子にあたる方が、その試合の写真を撮ってくれていました。
ちょうど、私の顔面を相手選手の突きが捉えた、
まさにベストショットの写真でした。
負けた試合の写真をもらっても、有難くも何ともありません。

ほんとに、悔しかったですね。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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