2011-10-02
初段認定証授与のあとに終わりの礼をし、掃除が終わると、
その後は合格者の“お祝い”が始まります。
はじめはふつうに記念写真を撮るだけでした。
ところが最近では「人間ピラミッド」で合格者をてっぺんに座らせたり、
花道なのかベルトコンベアなのか、
後輩が二列になったその頭上を腹這いの状態で移動したりします。
さっきまでの緊張感と打って変わって子ども達はニコニコの笑顔です。
いつのまにかこのような祝福のしかたに変わりました。
今では島野が
“今日はこうしよう”とサプライズなアイデアを考えているようです。
こういう切り替えはいいことですね。
稽古では全力を出し切れば“やった感”が漲りますので、
終わったあとは気持ちがとても充実します。
反対に、中途半端な稽古だと、
何だか心も中途半端で目一杯リラックスする心持ちではなくなります。
職場では、オンとオフの切り替えのできる人は仕事ができる人と言われます。
というより、就業中にしっかり仕事しているから、
休憩中には気兼ねなくのんびり休めるのですね。
稽古中はピリピリするほどの緊張感で臨みますが、
稽古が終われば気さくに接します。
そういう、「やるときはやる」という頭の切り替えを、
稽古で教えていくことは大事なんです。
島野もそういう意味も込めてやっているのでしょう。
それだけでなく、子ども達の無邪気な心に触れて、
自分も癒されているところもあるんだと思います。
しかしまぁ、道場はガラス張りなので道行く人がその場面だけを見れば、
“この道場は何をやってるんだろう?”
と、まさにサプライズです。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
板橋区にある地元密着の空手道場で“ガマンを売る空手家”
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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。