2011-02-16
文部科学省は「みんなの廃校」プロジェクトを立ち上げて、
再利用を後押ししています。
法務省は出所者の「就活」支援を後押ししています。
この二省がともにタッグを組めば、
かなりよいシステムが生まれるのになぁと思うのです。
出所者を更生させることに尽力することは立派な社会貢献である!
法務省はもっとそうアピールしてもいいんじゃないかと思います。
みなさんは2010年7月から9月まで放送のフジテレビ系列の昼ドラ
「明日の光をつかめ」をご存じですか。
少年院を出所した少年少女が更生保護施設を舞台に、
立ち直ろうともがく姿を映し出したドラマです。
心の傷を負った少年達が一度どん底に落ち、
そこから這い上がる姿の尊さが描かれていました。
罪への許しというのか。
「許す勇気」がどれほど難しくて大事なのかを教えてくれました。
この時世に更生施設のドラマを放送するのは大変意義が深いものでした。
これは若者の無業は超高齢社会において経済的な損失だと危惧している、
政府の施策とも言えます。
しかし私は、世の人に「許す勇気」を持ってほしいと訴えているのだ、
という考えを支持します。
私が勝手にイメージしていることです。
あくまで夢です。
廃校では若者がいろいろなことに挑戦します。
作る人もいれば販売する人もいるでしょう。
悪戦苦闘です。
野菜を育てるかもしれません。
ケーキを作るかもしれません。
彼らが作ったものは形が悪いかもしれません。
美味しくないかもしれません。
それを承知で、近隣住民が買ってあげて、“うまい!”と言って褒めてあげる。
ぼろ儲けするためにやるわけでないので、おそらく格安でしょう。
それでいいんです。
それより何より住民が彼らの疎外感をなくしてあげ、
自立する力をつけてあげるのです。
よその子もうちの子。
住民が親となって、美点を優しく見つめて育ててあげる。
こんな素晴らしい関係が作られる町って、ほかにありますか?
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※この時局放談は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。