『志あるリーダーを』 10

2010-11-30

建武館が目指すもの。
それは次世代のリーダーをつくることです。

人が3人寄ればチームとなります。
チームにはリーダーいなければ動き出しません。
あれをやろう!と言うリーダーが必要なのです。

だけど、ただやろうやろうでは人は動きません。
そのことばには人を燃え上がらせる熱いもの、志が必要です。

同じ「行こう!」でも、パチンコに行こう!と、
スポーツジムに行こう!はちょっと違います。
パチンコは楽だけど、ジムには努力とか苦労が伴います。
努力や苦労を承知させて、それでもついて行きたい!
と思わせる志を持っている者は真のリーダーだと思います。

そこで思い出すのが道場生だった小泉秀司君です。

彼は小・中学生のときに建武館に入会しました。
明るく爽やかで人を惹きつける魅力がありました。

彼が中学生の頃、ひとしきり稽古をしたあとに、ひとつ年上の先輩達に
「ウエイトしに行きましょう」と誘いました。

当時、道場は自宅から少し離れたビルに移設していました。
自宅にはウエイト設備があり、
もっぱらウエイトトレーニングに使うようになっていました。

普通の人は稽古をすればもう満足で、
あとはゆっくり解放されたい気分になります。

しかし、彼は年上の先輩達を誘って、さらにウエイトしようとするのです。
それも自宅道場へは少し歩かなければなりません。
二人の先輩は嫌な顔をせず、逆に後輩に誘われたなら断るわけにはいかないと、
張り切ってついていくのでした。

彼には高い志がありました。
高校に進学すると、一時、彼は道場を休会します。
名門、目黒高校空手部に入ったからです。
稽古熱心な小泉君は1987年に全国高等学校空手道選手権大会、
いわゆるインターハイで優勝しました。

高校生日本一です。

そして次なる目標、ボクシングの世界に挑戦したのです。
彼はぐんぐん頭角を現し、1992年、
日本J・フェザー級タイトルマッチに挑戦するまで登りつめるに至ったのです。

パチンコに行こうと坂道を下るのはたやすいです。
反対に、ジムに行こうと上り坂を付き合わせることはなかなかできません。

最近は自分さえよければというエゴイストが増え、
人を導くリーダーが不在がちです。
ゆえに、小泉君のような熱い志を持った子を作っていきたいと思うのです。

建武館 篠田剛

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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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