『潔いこと』59

2011-01-21

若気の至りでしたね。
若さに任せて本能で動いてしまいました。

ただ、そういうばかなことばかりの中で、
小松ちゃんに褒められたものもあります。
それは殴られても痛がらないことでした。

当たり前のようですが当時そのように振る舞う選手が少なかった。
たいがいは、試合中に当てられると大げさに痛がって、
相手からファールを奪っていました。

罰則に触れないグレーゾーンであざとく勝つ。
これが許せなかったですね。
だから私はたとえ痛くても、瞬間、脳震盪を起こしても、
何食わぬ顔で試合を続けていました。

それを小松ちゃんは認めてくれました。
潔いと。
嬉しかったですね。

試合に勝って褒められるのも嬉しいのですが、
男として評価された方が何倍も嬉しかった。

試合のあと、
俺が見に来るといつも反則負けじゃねえか!と皮肉られましたが。
 

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

 

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