『ガマンが仇?殴り返して反則負け』57

2011-01-19

高校時代の3年間は技術がメキメキ上達しましたが、
精神が追いついてこない時期でもありました。

この頃は様々な大会によく出場しました。
スピード・力・正確さを重視した稽古を積んでいましたので、
高校3年生くらいになる頃には、
繰り出す技の速さには自信がありました。

試合で主導権を握るのは常に私の方でした。
何事もなければ私の勝ちです。
何事もなければ……。

その頃の試合ルールは、いわゆる寸止めでした。
つまり当てると反則になるルールです。
とんとん拍子にポイントを重ね、
ヨシ!俺の勝ちだな!と思った瞬間…

バシッ。
相手が私に顔面パンチ。

こういう場面で、
私の精神が技術に追いついていないところが露呈します。

“よくも俺様の顔を殴ったな…”と。
“上等じゃねえか!”と。

やけに落ち着いて、冷静に、ガツン、
とやり返してしまうのでした。

私は殴られても痛がりませんので、
殴った相手は軽微な忠告程度ですむ。
反対に、相手はちょっと当てられただけなのに、
オーバーアクションで痛がり、私には重い反則がつきます。

あともう少しで勝つところなのに。
私はガツン、とやってしまうのでした。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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