『足袋とマントと股引と』53

2010-12-27

下駄ばきに手ぬぐいをぶら下げて、
ぼろぼろの学帽を被って通学します。

それは、
男を鍛えているから身なりを気にする暇などない、
という心を態度で示しています。

冬、拓大八王子校舎は高尾にあって厳しい寒さ。
先輩の足元を見ると、足袋を履いていました。
翌日から真似をさせて頂きました。
ちょっと前までは革靴に靴下、今は下駄に足袋です。

さらに厳しさが増すと、
これもまた先輩を真似てラクダの股引を履きます。
恥ずかしがり屋の十代が、
まさかラクダの股引とは、思ってもいませんでした。

防寒着として「とんび」という外套を先輩よりいただきました。
和装用のコートとして着用することもありますが、
それを学ランに羽織ります。

学三になると学生マントが許されます。
これがまたかっこいい。

恩慈先輩のそれには、
背中の部分に「拓大」と大きく白糸で刺繍されていて、
憧れていました。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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