『拓大で動く禅を学ぶ』 50

2010-12-24

拓殖大学の拓禅会に入れたことは幸運でした。
禅で得たものもあります。
しかし、それ以外のことで学んだことの方が私にとっての禅でした。

酒も然り、夜遊びも然り。
これまでにない、生きた勉強をさせて頂きました。
先輩方の多彩な顔ぶれもまた魅力でした。

恩慈先輩の傍らにいらした高島義先輩は、
仙人と見紛う出で立ちでした。
長身で細身、無精髭、ぼろぼろの学帽を被りぼろぼろの羽織袴。
生木の枝を折ったような杖をついていました。

学食で見かけた昼食は白米と豆腐。
生活態度、身なり、行動、すべてに飾り気がなく、
素朴、質実という言葉がぴったりの先輩でした。
時に厳しくも優しくご指導いただきました。

豪快、豪放、豪侠、豪傑、そして豪酒。
副会長である小花俊一先輩を一言でいえば“豪”の人でした。

雪解けの水たまりを避けずに真っ直ぐ歩く人でした。
何十・何百の大先輩を前にして放尿する肝の人でした。

恥ずかしかろうが、辛かろうが、
“それは無理”とういうことでも「やれ」と言われればやるのだ。
そういうことを叩き込んでくれました。
すべてにおいて並外れた、型破りな人でした。

私は多くの先輩からそれぞれに多くのことを学び、
そして吸収していきました。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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