『下駄をならしていざ拓大』 48

2010-12-22

下駄ばきで拓大へ行くことになりました。
歩けばカランコロンと響きます。
腰には手ぬぐいもぶら下げます。

同じ学生服でも高校時代はツッパリ風、
今はツッパリ仕様なんだけど書生さん風。
服装も心もどっちつかずで中途半端な時でした。

自宅の最寄り駅である東武東上線大山駅へ行くには、
地元の遊座大山という商店街を通り抜けなければなりません。
そして、池袋、新宿へと…。

道行く人は下駄の音がうるさいので、
後ろを振り返っては好奇な目で私をジロジロ見ていました。
恥ずかしがり屋の私は、それだけでもドキドキでした。

そんな日々を繰り返しているうち、
おもしろいことに、徐々に気持ちに変化が現れます。
ある日、私はジロジロの視線を感じながら、
こんなへんな呪文を心の中で言うようになりました。

見るなら見ろ
笑うなら笑え
これが俺の生き方だ
文句あるか バカヤロウ


恥ずかしがり屋でうつむき加減だった私は、
いつのまにか、真っ直ぐ前を向いて歩けるようになっていました。

建武館 篠田剛

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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