『就学前の運動習慣』44

2011-07-12

うちの子は3歳ですが入会できますか?
そう質問されて、
右左がわかれば大丈夫ですと答えて入会させていました。

ところが現場は大変。
低学年コースという小学3年生までのグループに所属させますが…。
3歳と、8~9歳とでは言葉の理解力の差と体格の差が出て、
一緒には稽古できません。

手取り足取り教えるのは当然のことですが、
どうしても指導がストップしてしまう。
止むにやまれず年齢制限をして、
3~5歳の子はお断りすることになってしまいました。

ところで私はだいぶ前に、
日本体育協会認定の上級指導員という資格を取得していました。
運動生理学、心理学、施設の運営など、多岐にわたって教わりました。

そのとき教わったのが、
幼児期は神経系の発達が著しい時期だということです。

神経系はリズム感や体を動かす器用さを担うところです。
その神経回路は出生直後から急速に発達し、
5歳頃にはすでに成人の8割はできあがってしまいます。

スキャモンの発達・発育曲線(青線が神経型)

この時期に運動に親しませることで、
運動に対する神経機構を発達させることができます。
しかし空手の動作では無理があるし飽きがくる。

そこで、遊びの要素を多く含んだトレーニングを採り入れて、
運動神経を高めてはどうかと考えました。
靴を揃える、装具の脱ぎ着を早くするなど、
自分のことは自分でできる子にさせていきたいとも考えました。

就学前に、自分で何でもできちゃう運動神経バツグンな子にさせたい!
これまで入会をお断りしていた、
3~5歳の子を受け容れるクラス作りの構想が始まりました。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
財団法人日本体育協会公認上級指導員 介護予防サポーター
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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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