『正月の酒席で』41

2011-05-28

2001年からでした。
戸谷、本村、亀田が家族を連れて、
年始の挨拶をしに来てくれるようになったのは。

数年後、彼らに混じって、
福島という戸谷たちの同級生も来るようになりました。
福島は井口の地元の後輩です。

正月だ酒を飲めと楽しく談笑していました。
すると、誰が言い出したか記憶にありませんが、
いつのまにか空手の話になっていました。

「空手やらないか?」
福島に聞いていました。

もともと福島は自主トレでウエイトをやっていました。
小太りですが筋力がありました。
そんな福島に私はよく
「単なるデブじゃないな」と親しみを込めて言っていました。

ガキの頃は暴れん坊のようでしたが根が真面目な福島は、
「中途半端な気持ちで始めるのは失礼」
と断っていました。

ウエイトは気軽にできましたが、
こと空手になると軽はずみな返事はできなかったようです。

それから月日が経ち、じっくり考えたのでしょう。
福島は、
「空手をやることにしました」
意を決して私に言ってきてくれました。

しばらくして、
福島が稽古に通うようになりました。

稽古中の福島は真剣そのもの。
体格の割には身のこなしが鋭い。
やはり単なるデブではありませんでした。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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