2011-05-18
あたり一面に散らばったがれきは緊急車両の往来の妨げになります。
そこでまず初めに行うのが道路上のがれきを取り除く作業です。
そのがれきは急場のしのぎとして、
道路の脇にある居住地に点々と山積みされました。
しかしその家の人にとっては、
このまま放置されれば生活に支障をきたしてしまいます。
そこで、その居住地に山積みされたがれきを撤去するのが、
今回の私たちの役目です。
手順は、がれきから取り出して平地に置いて、
それをトラックに積み込んで仮置き場に搬入します。
がれきには壁や浴槽や樹木や電柱など、
いろいろな形のものが混在しています。
例えば柱を引っ張り出そうにもL字型になっていて、
どこかに引っかかって抜けません。
がれきの山を見て、これをマンパワーでやるのか?
重機を使わないと無理だと思いました。
だけどやり始めないと終わらない。
まずは引き出せるものから手を付け始めました。
「この山をどうにか小さくしよう」という気持ちが早まって、
あたりかまわず手を付けます。
すると、がれきをなくすためにがれきを作ることになってしまいます。
そこで、途中から、木材の長ものと、
そうでないものに分別して平地に置くようにしました。
こうすることにより、トラックに積むときが楽になりました。
しかし、せっかく分別しても、
仮置き場でまた、ごちゃまぜに置いてしまいます。
結局、これもまた、
がれきをなくすためにがれきを作っているようなものです。
山と積まれたがれきを前にして、
はじめは遅々として進まない状況に意気消沈しそうでした。
でも、だんだんと気持ちがまとまってきて、
みんなで励まし合うようになりました。
あともう少しで終わる、というところで、
リーダーから作業終了が言い伝えられました。
作業は陽の出ているうちに終了しないと危険だからです。
後ろ髪引かれる思いで、現場を撤収してセンターに戻りました。
仮置き場は近くの中学校校庭です。
この山は、これからさらに大きくなってしまうのでしょう。
だけれども、まずはその家の人が生活できるようにすることが、
優先なのでしかたありません。
中学校の校庭に仮置きされたがれきの量はとても膨大です。
生徒が校庭で走り回れるようになるには相当時間がかかるでしょう。
一日でも早くそれが実現できることを願っています。
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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。