2011-05-26
“麦は踏まれて豊かに実る”
ひょろひょろな麦は実の重みで倒れてしまいます。
しかし、踏まれた麦は太く丈夫に育ち豊かに実るそうです。
この文字を眺めていると、私のおやじの名「豊実」が浮かんできます。
名付けた祖父は、
踏まれても這い上がれ、根太く生きろ、
という願いをこめて名付けたのだと思います。
ピンチに立っても「何のこれしき!」とへこたれない人がいます。
土曜会は三十代後半から四十代ばかりでした。
四十にもなれば考え方が固まってしまいます。
それでも、今さらながらも、
へこたれない心のたくましい人になろうと頑張りました。
土曜会は組手に始まり組手に終わる、そんな稽古でした。
私の42歳の誕生日稽古のときも組手三昧でした。
この日はひたすら組手をやったあとに、付け足しがありました。
みんなが縦一列に並んで
“ロー”を太ももに一発プレゼントしてくれました。
一発蹴らせて一発蹴るのを42回やって、
痛い痛い言いながら喜んでいるのです。
誕生日プレゼントがローキック。
それも、一発ずつ蹴りあいます。
普通に考えると変ですよね!
変だと思うのが正しいと思います。
それでもみなヒイヒイ言いながら、
実に気持ち良く稽古を終えていました。
稽古の後は、近くの居酒屋という名の第二道場で、
『酒稽古』をして盛り上がるのでした。
****************************************************
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
****************************************************
前のページ 次のページ
※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。