『いわき市へ』 33

2011-05-16

いわき市へボランティアに行くことにしました。
電車や高速バスも考えましたが、
仮眠など自分の都合で動ける自家用車にしました。

夜の10時に自宅を出発。
加平から首都高三郷線に入り、常磐自動車道を通るルートです。
いわき湯本で下りて、
目的地のいわき市社会福祉センターへは3時間で到着します。

常磐自動車道の電光掲示板やカーナビから
「およそ○km先、地震のため80キロ規制中です」
とありました。
こんなアナウンスは初めてです。

また、被災地に近づくに従い、自動車の数が減っていきました。
ついに私の前に車がなくなり、道路照明の消灯も相まって、
前方は真っ暗となりました。
まさに「俺は向かっているんだな」と実感しました。

ところが、いわき湯本を下りて国道を進むと、
市街地はほかと変わらぬ明るさでした。
少し拍子抜けしながら、社会福祉センターに到着したのでした。

その夜はセンター近くに停めて仮眠することにしました。
寝袋を使えばそれほど寒くはありません。
車内は窮屈ですが眠れるだけましです。

携帯のアラームで目が覚め、
朝9時受付のところを7時にセンターへ向かい一番乗りしました。

夜中に着いたときは薄暗くて気づきませんでしたが、
よく見ると建物が30cm以上隆起していました。

歩いてわかることですが、
公園などに敷設されたタイルも、
山脈のように地割れで盛り上がっていました。
地震の爪痕を生々しく感じました。

しかし、それらはまだほんの序の口に過ぎませんでした。
その3時間後に私は、息を呑む光景に直面することになります。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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