『現場活動』34

2011-05-17

福島県いわき市社会福祉センターが災害ボランティアの拠点です。
今回の私の任務はガレキの撤去でした。

30人が7台の車に分乗して地図を片手に依頼者のお宅に向かいます。
10人ほどのグループがもっぱらのようですので、
ここは作業規模が大きいようです。

私の車には3人の男性が同乗しました。
7台はおのおの出発。
私もカーナビに住所を入力して15km先の目的地に向かいました。

センターは市役所が近くにある中心市街地です。
建物の損壊はほとんど見当たりません。

少し経つと徐々に山里の風景となりはじめました。
それでも町並みは変わりありません。

路地を曲がると突然、
行き止まりのバリケードが道をふさいでいました。

バリケードの先にガレキがあるので、それが原因かと思いつつ、
その後方を見てびっくり。

なんと、その数十メートル先から、遠く見える海までの間、
見るも無残な壊滅的な家が続いていました。

車をUターンさせて県道に戻って迂回して行きました。
私たちは言葉を失っていました。

目的地に近づきました。
おそらく左右には民宿などで賑わっていたであろう道を、
ガレキを避けつつ通りました。
もちろん民宿などありません。
ことごとく津波で流され基礎の囲いが残っているだけでした。

ようやく目的地のお宅に到着しました。
お宅の前には折れた樹木、電柱、絡まる電線、畳、建築材……。
その中に衣類や思い出の品が混在しています。

ただしそれは、そのお宅のものばかりではありません。
逆に、知らぬ人の物の方が多いのでしょう。

それが、とても厄介な原因として、
作業が遅々として進まないものにしています。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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