『負けん気 兄弟げんかで培う』 7

父は若い頃にボクシングをやっていたようです。
30~40代の頃も、歳のわりに足が速く体も柔軟でした。

そんな血筋か、私たち兄弟も上達が早かった。
1973年、10歳のときに日本空手道道場連合の伊志嶺玄朝先生より
少年部初段を頂きました。

その上達が兄弟げんかにも現れてきました。

男兄弟にけんかはつきものです。
私たちも世間一般の兄弟げんかをよくしました。
私は生意気で従順じゃなかったですから。
今も変わらずですが!

ただ世間一般と少し違うのはけんかのしかた。
プロレス技とか、髪の毛の引っ張り合いなんて可愛いものじゃなく
突き蹴りでした。

兄のパンチは正確無比で、必ず鼻に当たります。
鼻血ブーは毎日。

おかげで、顔を殴られても怯まなくなりました。
だいたい世間一般の弟はやられ役なので自然と根性がつきます。
やられるたびに強くなっていきます。

次第に、こんちくしょう、上等じゃねえか、負けてたまるか!
という負けじ魂が備わってきます。

この負けじ魂には良い悪いがあります。
悪い負けじ魂は困りものです。
負けたくないからと、負けそうだなと思うことはしません。
勝つ勝負しかしなくなります。

一方、良い負けじ魂は負けたくないから、負けないよう努力します。
努力して勝とうとします。
努力から逃げません。
弱い者ばかりを相手に勝ち誇ったところで何も腕前は上がらないでしょう。

自分の居心地のよい世界で威張っていても、
ひとたび外に出れば何も通用しない人になってしまいます。
痛い目に遭ったり、恥をかいたり、
そのたびにこんちくしょう、上等じゃねえか、負けてたまるか!が活きてくるのです。

世間一般の弟よ!
お兄さんに感謝しなさい。

2010-11-07

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※『おれの半生』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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