2012-07-24
効率を求める人にとってみれば時間の無駄。
無意味、論外、ナンセンス。
だって、仮置きなのにですよ。
すぐ別のところに移動してしまうのに、
いちいちきれいに並べる必要ないですよね。
だけどピシッと並べるんです。
玄関の床タイルの線に沿ってピシッと。
こういうのは、いわゆる効率を図るなんていう考え方ではないですね。
じゃぁ、何なのか。
私達は稽古のとき子ども達にいろいろ話しかけます。
その話し言葉に真実があるか、信念があるか。
子どもには皮膚感覚というのかな。
本物かどうかを嗅ぎ取る本能みたいなものが備わっているんですね。
うわべだけの言葉だと子どもにはほんと伝わらないんですよ。
子どもの心にすぅっと入らないし、信じない。
だから子どもと向き合うときは、
真剣勝負する気持ちでいかないとだめなんです。
特に私は融通の利かない堅物人間だから、
なおさら口先だけで言う演技ができない。
私は毎日、道場のトイレを掃除しています。
それは人に威張るためでなく、強要することもなく。
逆に人がいないうちに、さっさとやります。
こういうことを何年も毎日続けていくうちに、
何か心に変化が表れるんです。
自信というか。
信念というか。
そういったものがひと塗り、ひと塗り、
掃除するたびに重なっていく感じなんですね。
何かこう、見えないところでやる。
人が見ていないところで確実にやる。
きっちりやる。
そういうことに意味があるんじゃないかなって、
思うようになってくるんですね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■建武館では空手やキックボクシングはもちろん、3歳から始められる空手運動クラス、女性でも気軽にできるソフトキック、60歳からのアンチエイジングトレーニング、自主トレーニングコースも常設しています。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。