2012-07-20
金 大竜さんは大阪の小学校教員。
その名もハッピー先生。
名刺代わりにと頂いた本のページをめくってみました。
目にとまったのが『できていないことを意識する』と題されたページ。
先生、先生、と呼ばれると、
自分はさも偉くなったように錯覚してしまう。
そうなるとまわりの人や子どもに対して横暴になる。
それが何より怖いということを金さんはわかっています。
そこで金さんは自分を戒めるために意外なことをします。
それは、『苦手なことにチャレンジし、ビリになる』こと。
どんな苦手なことにチャレンジしたかというと、それはマラソン。
金さんは太っています。
なので持久力のいるスポーツが大の苦手。
だからこそあえて選んだそうです。
大の苦手なマラソンを。
そんな人、います?
得意なことをして自信を持たせるというのはよく聞くのですが。
苦手なことを自分からあえてやるなんて発想する人は、
なかなかいませんよね。
それを金さんはするんです。
今では2か月に1度は何かしらの大会に出ているそうです。
そしていつもビリに近い状態でゴールします。
そうしたときにわかるのが、いつもビリになってしまう子の気持ち、
人から助けられる苦しさ…。
そして何より自分の弱さを思い知らされます。
自分はまだまだ不完全な人間なんだということを、
思い知らされるわけです。
お前は偉くも何ともないんだぞ。
横柄な態度をとるな、何を威張ってるんだ、ゴツン。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■“技は心に応ず”その人の技はその人の心掛けの通りあらわれるもの。心のありようで技は一変し、強くも弱くも、善くも悪くもなるものなのです。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。