『松下幸之助の場合』332 日本空手道建武館 篠田剛

2012-07-14

「おい、所主が便所を掃除し始めたぞ」
「手伝おか?」
「いま手伝ったらややこしいで」

 

 

大正12年の暮れというから昔の話だね。
松下幸之助の工場で従業員が総出で大掃除をしていたときのことだ。

ほかはきれいなのに便所だけは、なぜか誰も掃除しようとしない。
何か職場でいさかいがあったようで、
汚い便所掃除は知らんふりしてるらしい。

幸之助は怒ったね。

いさかいがあったとしてもそれはそれ。
ちゃんと掃除はしないと。
たとえ仕事ができても常識がわからなければだめ。
人間としての精神の持ち方を教えるのも工場主である私の仕事だ…

そう思いながら、幸之助はほうきを持ち出して、
便所の踏み板を掃除し始めたそうだ。

ここにもトップが先頭に立ってやる姿があるよね。
人の嫌がることこそ先頭に立って上の者がやるべきだと、
行いで教えているんだね。

パナソニック 松下幸之助物語

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■道場生に伝えたい“拳足は警策なり”。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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