『上の者が先頭に立ってやる』325 日本空手道建武館 篠田剛

2012-07-10

真夜中にパンツ一丁で来い!と島岡監督に呼び出されたときの話だ。
星野さんはふてくされながら、
真っ暗闇のグラウンドで一人正座をしたそうだ。
雨が降る中を4~5時間もずっと正座してたらしいよ。

夜明けが近づくとだんだん明るくなるだろ。
本塁の方になんか人影が見えるんだよ。

よく見ると島岡監督なんだ。
星野さん、びっくりだったろうね。

真っ暗なときは気づかなかっただけで、
島岡監督はずっと一緒に正座してたんだね。

星野さん、いやぁ参った、一生このおやじには頭が上がらないと、
そう思ったそうだ。
これには一本取られた!って感じだったろうね。

こういう星野さんの感情、キミにわかるか?
部下ばかり文句言う上司が多い中でさ。
もちろん、キャプテンとしての責任の重さを、
わからせたかったのもあるよね。

だけど島岡監督はそれだけじゃないんだな。
トップが先頭に立ってやるんだ!ってことを教えたかったんだよ。

トップとかリーダーって、強いだけじゃなれないよ。
どんなことでも、嫌なこと、つらいことでも、
先頭に立ってやれるというのが大事なんだよ。

いいか、キミたちよ。
キミたちは今、強くなりたい!と思って、
空手を習っていると思うんだな。

だけど、どうせならもっと欲を出しなよ。
俺としては強くなるだけじゃなく、
リーダー的な存在になってほしいな。

そうすると、
星野さんの感情がわかるようになると思う。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■建武館では空手やキックボクシングはもちろん、3歳から始められる空手運動クラス、女性でも気軽にできるソフトキック、60歳からのアンチエイジングトレーニング、自主トレーニングコースも常設しています。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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