『避難者差別 人への風評被害に思う』 31

2011-04-23

放射線は感染症のようにうつるものではない。
まずはこのことを、慌てず恐れず、しっかり認識する必要があります。
そして、自分の発した言葉に全責任を負う、
という腹をくくる必要があります。

千葉県内の小学校への転入手続きで、
教師から「福島県から来たことを隠しますか」と聞かれた。
母親は意味が分からず「隠さなくていい」と答えた。
男児の席は教卓の前で左右は空席になっていた。

放射能がついているのではと不安になる気持ちはわかります。
この一件で問題なのは、
その対象が「物」つまり野菜、水、トラック、瓦礫ではなく、
「人間」だということです。

百歩、いや一万歩譲ってその子が被曝していたとしましょう。
その子を憐れむことはあっても、なぜ差別することができるのか。

この話が事実であれば、何をかいわんや、です。
教師は、差別発言をする子どもを、
ぶん殴ってでも過ちだとわからせなければいけないのに。
教師には憐れみの心はなかったのか。
惻隠の情は湧き出なかったのか。

私はもちろんぶん殴りはしません。
しかし、そのくらい烈火のごとく叱る、
気骨のある教師でありたいと思うのです。
涙ながらに心に訴える熱い教師でありたいと思うのです。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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