『なぜトイレ掃除か』316 日本空手道建武館 篠田剛

2012-06-27

小さい頃、おやじは、
地元のわんぱく小僧を集めてトイレ掃除をさせました。
汲み取り式で干からびたウンコや小便がこびりつく、
それはもう鼻にツーンとくる便所を、です。

おやじとは死に別れましたので掃除をさせた理由はわからずじまいです。
だけれども、これかな?と思えるようなことがありました。

小学生の頃、ともだちが道路の側溝にお金を落として困っていました。
溝からのぞくと中は排水でどろだらけ。
私は側溝のふたを持ち上げて腕を伸ばして、
真っ黒などろにまみれたお金を取り出しました。
水道できれいに洗ってともだちに差し出すと喜んでくれました。

バス旅行のとき、ともだちが車酔いでげろを吐いてしまいました。
周りのともだちは「くせぇ~」と言って近寄りません。
吐くととても恥ずかしいことは経験でよくわかっていますので、
その子の気持ちがわかります。
私も車酔いするのでその臭いにもらいげろしそうになりました。
だけどともだちの気持ちを察して洋服や床についたげろを、
なるべく早く拭き取ってあげました。

取るに足らない話かもしれません。
だけど、こういうことが平然とできた自分がいて、
これなんだな、と思いましたね。

変な言い方ですがウンコを手でさわったのですから、
泥やげろは何ともなくなります。
ウンコに比べるとかわいいものです。

子供心にも、こういうことができたのは、
トイレ掃除のおかげなんだと思いました。
 

「トイレ掃除」のお誘い
2012年7月14日(土)
第55回東京掃除に学ぶ会.pdf

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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