『弱者への優しさ、どこへ』 31

2011-05-07

教育が間違っているんじゃないか思うことが多く見受けられます。
それゆえに、新聞、雑誌を読んでいても、
親とか親子の文字にはとても敏感になっていました。

平成19年5月のことです。
新聞記事に目が行きました。
それは『弱者への優しさ、どこへ』と題する次のような記事でした。

“地下鉄で足が悪かった作家のマークス寿子さんに席を譲ろうと前に座っていた男児が腰を浮かしたら隣の父親がぴしゃりと言った。『お前も疲れているんだから余計なことはしなくていい』。豊かな時代しか知らない世代が親になり弱い立場の人を助ける利他の精神が途絶え、日本人はここまで来てしまったのではないか”

そう締めくくっていました。
若い時の肉体的苦痛を経験しないと堪え性がなくなり、
他人の痛みも感じられなくなります。
ガマンをしいられることのなかった子どもは、
大人になると非常に不幸になります。

規範意識は親が子に引き継がせるもの。
だから親があれこれ言うばかりでなく頑張る姿を見せ、
自分自身の行いで子どもに教える。
これが親の何よりの教育だ―。

おやじの会を結成した理由がここにあります。
この記事は当時の私の考えにぴたりと当てはまるものでした。

利他の精神を教わった子どもが増えれば、
世の中もきっとよくなるでしょう。
親子で健全な汗を流して、
社会をよくし日本をよくしていきたいものです。

幸いなことに建武館に来ている親はその精神をよく理解しています。
大変ありがたいことです。

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篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi
日本空手道建武館 館長
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※『ひと・もの・こと』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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