『ボクシング云々より人の道を外すな 人生の転機 武元前川』304 日本空手道建武館 篠田剛

2012-08-19

村田は中学生になると思春期を迎えて荒れました。
中学教師は荒れるエネルギーを、
ボクシングに注いでくれればと願っていました。

ところが高校に進学しても荒々しさは消えませんでした。
時にボクシングをけんかの道具にすることもありました。

そんな村田に、
「ボクシング云々より人の道を外すな」
そう真っ向から言ってくれた人物がいます。
高校ボクシング部監督の武元前川さんでした。

武元さんは村田に、挨拶、返事など、
人としての基本的なことから叩き込んでくれました。
武元さんはボクシングを教えつつ、人の道を教えていったのです。
村田にとって武元さんとの出会いはまさに人生の転機となりました。

それを証明するようなコメントを村田は述べています。
「金メダルを取ったことがゴールではなく、金メダルに負けないような人生をこれから送ることが自分の役目だと思います。僕はただ少しの才能と努力があっただけ。何より僕にボクシングを教えてくれた武元先生こそが称えられるべき」

この言葉は単なるカッコつけではなく村田の本心です。
人生の師ともいえる武元先生への、
純真無垢な心服から出る言葉だったと思います。

金メダルを見る前に武元さんはお亡くなりになりました。
しかし村田の心の中に武元さんはいつまでもいることでしょう。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
カッコ悪く振る舞える人がカッコいい
■これからの社会の在り方として建武館が投げかける大事なメッセージ“よその子もうちの子”。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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