『中学教師のことば 村田諒太のボクシング道』302 日本空手道建武館 篠田剛

2012-08-17

ロンドン五輪で歴史的快挙を成し遂げた選手がいます。
ボクシングのミドル級に出場した村田諒太選手です。

ミドル級は世界で一番選手層が厚いことで知られています。
体格で劣る日本人選手が頂点に立つことは不可能、
とさえ言われていました。

そんな“常識”をくつがえしてしまったのが村田選手なのです。
日本ボクシング史上2人目のこの金メダルは、
とてつもなく奇跡的な快挙だったのです。

奇跡に近い偉業を成し遂げた村田選手。
中学生の頃は「やんちゃ少年」だったようです。

1年生のときに髪を茶色に染めました。
けんか好きでとても荒れた生徒でした。

その溢れんばかりのエネルギーを他に注がせたい、
そう思った教師は村田少年に尋ねました。
「何かやりたいことないんか」

村田少年、
「ボクシングしたるわ」そう言い返しました。

ボクシングに打ち込んでくれればけんかもしなくなるだろう…
そういう教師の思いとは裏腹。
当時の村田少年は、ただけんかが強くなりたいだけで、
ボクシングをすると言ったのでした。

だけど。
この教師が「何かやりたいことないんか」と聞かなければ。
今の村田はいなかったかもしれません。

ふつうの教師なら、そんな不良生徒のことなんか気にも留めません。
厄介者、鼻つまみ者は学校にいてもらっては困る。
そのくらいにしか考えません。

ところがこの教師。
しっかり村田少年を見ていてくれてたんですね。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
カッコ悪さをさらけ出せる奴がカッコいい
■“技は心に応ず”その人の技はその人の心掛けの通りあらわれるもの。心のありようで技は一変し、強くも弱くも、善くも悪くもなるものなのです。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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