2012-08-12
昇級審査の最終日は茶帯などの上級者が受審します。
この階級は技術面では“うまくできて当たり前”。
あとはどれだけ精神面で自分を追い込めるか、です。
審査の締めくくりが自由組手。
この自由組手ではお互い激しく攻め合います。
組手の回数は7から10試合。
緊張感もあってかふだんの稽古とはちがい、
1試合、1試合がとても疲れます。
おそらく1試合目から全力を出すと、
3、4試合あたりでガス欠になってしまいます。
だからどうしても、セーブしてしまいます。
体力を温存するために、前半戦は適当に流してしまうんです。
ガス欠になると直接体に打ち合う組手だけに、
ぼこぼこやられてとても痛いんです。
疲れて動けないのに攻められる怖さもあります。
それに何と言ってもぶざまな姿をさらすことになるのが、
とても屈辱なんです。
でも、そういうことをすべて承知で、
初めから飛ばせるかどうかなんですよね。
それができるかどうかが試されるんです。この階級は。
体力を温存する方が楽なんです。
ラストの試合でびしっと締めくくればかっこいいし。
だから、
かっこわるい姿をさらけ出してもいいからやってしまう人間のほうが。
凄いんです。
子ども達には、そんなことを目指させています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
カッコ悪さをさらけ出せる奴がカッコいい
■建武館では空手やキックボクシングはもちろん、3歳から始められる空手運動クラス、女性でも気軽にできるソフトキック、60歳からのアンチエイジングトレーニング、自主トレーニングコースも常設しています。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。