トイレの素手磨きという一番いやなことをやり遂げたのだから、
ほかに何をやっても平気になります。
仲間が乗り物酔いで嘔吐したとき進んで介抱できる
排水溝に物が落ちて困っている人の代わりに拾ってあげられる
などなど。
それに、
掃除している人の身になって、トイレをきれいに使うようになります。
トイレの手磨きによって、
人を思いやる精神が鍛えられ、身についていくでしょう。
ふつう、人は、重いものを持つことや汚れる仕事は避けたがるものです。
しかし、誰かがやらねばなりません。
トイレの素手磨きで得た自信から、人がやりたがらないイヤなことこそ、
自分から進んで行うんだと心がけるようになります。
そして、苦と楽があれば、
苦は自分が買って楽は人に譲る気持ちが大事だと考えられるようになります。
つまり、トイレの手磨きによって、人を思いやる精神が備わり、
人がイヤがる仕事こそ進んでやるんだと思える人になる。
そう信じてやっているのです。
建武館 篠田 剛
2010-10-25