2012-05-24
現役の頃、試合に出るたびに、
不安になったりイラついたりしていました。
そんな自分が情けなくて、
肝の据わった人間になりたいといつも思っていました。
いつだったかそういう心境のときに聞いたのが、
フランスの大統領ド・ゴールの逸話でした。
それは、ド・ゴールが、
シャンゼリゼ大通りを凱旋パレードしたときの話しです。
彼はパレード中に敵から攻撃を受けましたが、
飛び交う銃弾にも気にせずパレードを続けたといいます。
私が聞いたのは、
「銃弾にもひるまずタバコを一服していた」
というものでした。
鉄砲の弾がビュンビュン飛んでいる中を、
何食わぬ顔で悠然とタバコを吸っている姿を思い浮かべました。
一服がまことかうそかはわかりませんが、
要するに“上に立つ者は恐れてはいけない”という教訓です。
ド・ゴールは死と隣り合わせ。
俺なんか安全なルールの中の試合でビビッてる。
俺って、情けないよなぁ…。
そう心の中で思いつつ、それじゃいかん!
と自分を叱り飛ばしながら、試合に臨んでいました。
そうこうするうち、“平静を装う”
というところまではできるようになりました。
でも、まだまだ腹の据わった人間にはなれませんでした。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■平日はどうしても時間がとれない方は、東武東上線・大山駅にある「コナミスポーツクラブ大山」にお越しください。都営三田線・高島平方面にお住いの方は、新河岸にある「わかたけ第2保育園」にどうぞ。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。