2012-05-18
黒帯となって初めて空手人となる。
彼らはその第一歩を歩み始めました。
これから先もより稽古に励んで黒帯にふさわしい、
強くて優しいリーダーになってほしいですね。
しかしそうは言うもののリーダーというのは、
現実の社会ではそんなに甘くはありません。
リーダーとはこういうものなのです。
敬われているようで落ち度を探されているのがリーダー。
恐れられているようで侮られているのがリーダー。
親しまれているようで疎んじられているのがリーダー。
好かれているようで憎まれているのがリーダー。
なんか胸が焼けるような気持ちになりますが、リーダーは孤独です。
現実はこういう人間関係ばかりです。
だからこそそうではない人づくりをするのが、
私たちのような立場の者の役目なんです。
ではリーダーはどうすればいいのでしょう。
それは、どんなことも後輩とは違うおこないをすることです。
後輩が腕立てを10回やったら先輩は20回やる。
後輩が鏡拭きをしていたら先輩は床を拭き便器を磨く。
痛がっている子やこわがっている子をみたら、
声をかけて不安やおそれをなくしてあげる。
つらいことも人の嫌がることも後輩より進んで行い、
誰よりも優しさを持って接する。
そういうことをしてはじめて後輩は思いを寄せるものなのです。
黒帯となって初めて空手人となる。
ここからがスタート。
リーダーになるための稽古はここから始まるのです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日発信していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■私は空手の指導で役に立つ財団法人日本体育協会公認上級指導員の資格を取得、また介護予防サポーター、こころの健康サポーターの講習を受けて道場生の体と心のケアに努めています。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。