『大震災に思う2 思いやりというおみやげを持ち帰る 災害ボランティアは自力で』62

2012-03-08

大震災の発生から1年が経とうとしています。
これから、あのとき感じたことを思うままに書き記すことにしました。

被災地の模様がテレビで放送されるたびに、
「必ず行く」
と心に決めていました。

ところが漏れ聞くところによると、
相応の心得がなければ有難迷惑になるというのです。
参加の条件を調べると「自力・自前でできること」ということでした。
つまり、被災地までの交通手段、現地での食料、宿泊場所。
これらを被災地で頼りにしないで自己完結できて、
はじめて参加できるのです。

体ひとつで、誠意だけを持っていっても、
被災者にかえって迷惑がかかるというわけです。
相撲でいえば“勇み足”。
ボランティアにも勇み足はだめというルールがあるんです。

しかしよく考えてみればとても当たり前の話です。
現地ではみんな大変な思いをしているわけです。
なのに「ごはん作って」とか「寝床を用意して」など、
お客様であるまいし言えるわけありません。
ガソリンだって現地で不足しているのだから、
給油して帰ることも迷惑になります。

ひとりよがりの善意は禁物。
良かれと思ってやったことが逆に負担をかけてしまい、
結局自己満足で終わってしまいます。

災害ボランティアに参加したことで、
改めてそういうことを学べてとても有難かった。
こういう経験が、
人への“思いやり”とか“人情の機微”を身につけていくのです。

まだ参加していない学生は、
春休みを利用してボランティアに行ってみなさい。
君の背負っているリュックの大きさの分だけ、
思いやりというお土産がきっと持ち帰れると思う。
心の収穫が必ずあるんだ。


後方の中学校校庭には瓦礫が山のように積まれていました。
左側の倒れた木の後方、山の手前にあるものはすべて瓦礫です。
目の前は海。
どれほど大きな津波が押し寄せたか、その恐怖たるや。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。

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※『時局放談』は、2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものです。したがって、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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