2012-04-22
長岡藩の米百俵。
義援米はもともと、長岡藩士の腹の中に納まってよいものでした。
藩士は食うに困るほど苦しい生活をしていたので、
腹いっぱい食べたかったはずです。
ところが小林虎三郎の唱えに、長岡藩士は理解を示すんですね。
腹が減ってしかたがないだろうに、ガマンして手放すわけです。
できないですよ、なかなか。ここが素晴らしい。
そして、米百俵を贈った三根山藩もまた素晴らしい。
この藩も決して裕福ではありません。
それなのに、なのです。
兄弟藩だからこそ、同じ苦しみを味わおうと、
身を削ってまでも集めて贈ったのでした。
素晴らしいですよね。
この「米百俵の精神」は、次世代のリーダーを育てるために、
大人はガマンしよう、というものなのです。
不肖ながら建武館は次世代のリーダー育成を目指しているので、
この話は大きな励みです。
おこがましくて恐縮ですが“誰もが入れる開かれた学校作り”は、
建武館も同じです。
家族の負担を考え誰もが入会できるよう、
低料金に設定しているところがそうです。
三根山藩士のような、有り難くも、
篤志ある方が集まり始めたのも似ています。
我々も、この米百俵の精神の足元にも及びませんが、
目指しています。
スケールも志も大違いだよと、笑われてしまいますが。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。
篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。
■今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。
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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。