『子供のタフな心を引き出す』233 日本空手道建武館 篠田剛

2012-04-11

建武館の稽古体系は直接打撃、つまり当てる空手です。
少年部が直接打撃に変えたのが、今から10年前の2002年でした。

当時の子供たちは当てられることに慣れていませんでした。
当然、親も我が子が当てられることに慣れていませんでした。

ある日、組手で我が子の顔面を蹴られた親が、
「あの子をよそのクラスに変えてほしい」
と言ってきました。
もちろんきっちりお断りしました。

それは、
受けるのがへたな自分がいけないんだという“謙虚さ”を、
子供に身に付けてほしかったからです。

蹴られないために“もっとたくさん稽古しようと教わったのだ”と、
感謝できる子になってほしかったからです。

そして、蹴られる側も、今度は蹴る側になることもありえるので、
お互い様だからです。

可哀そうだからといって、痛さ怖さを取り除いてやってあげると、
真剣みがなくなって動機づけが下がります。
しかし逆にいつもやられて怖さばかり経験していると、
自信がなくなってしまいます。
このバランスを上手にとってあげることがとても大事です。

そこで、蹴られて痛くてもがまんできたことを、
まずは認めてほめてあげます。
するとそのあとにまた蹴られても、前に認められた嬉しさから、
その痛みを克服しようと頑張るんですね。

こうして、痛みや怖さと真正面から向き合いながら、
徐々に、徐々に我慢強くなっていくのです。

蹴られれば痛いし怖いものです。
だけどちょっと辛抱させる。
大人が介入しない。

子供は、本当はタフなんです。
子供が潜在的に持っているそのタフな心に蓋をしてしまうか、
引き出してあげるか、なんですね。

そういうことを入会の段階できっちりと、
親御さんにも理解してもらっています。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。
■平日はどうしても時間がとれない方は、東武東上線・大山駅にある「コナミスポーツクラブ大山」にお越しください。都営三田線・高島平方面にお住いの方は、新河岸にある「わかたけ第2保育園」にどうぞ。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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