『そんなことありません 義務が損なこと』227 日本空手道建武館 篠田剛

2012-03-24

あれはやってくれるの?
これはもらえるの?

そう。権利ばかり主張する人、増えた気がしませんか。
権利を主張しておかないともらい損をするかもしれませんから。
もらえるものはもらっておこうと。

ですが、権利ばかりではいけないのです。
なぜいけないのでしょうか。

権利ばかり主張する人の町と、
義務を果たそうとする人の町を例にお話しをします。

町に住むみんなが権利を主張しあっているところがありました。
自分ばっかり言い張るので意見がぶつかり合ってしまいます。
ついには争いごとが起きて、
結局は権利を受けることができずに終わってしまいました。

一方、義務を果たそうとする町はどうなっているでしょうか。
ここも同じように主張しあっています。
しかし権利を主張する町と違うところがあります。
こちらの町ではやるべき義務を果たすので、
やってもらって助かる人がいます。
するとその人も「私も義務を果たさせて」
と言って義務を遂行します。
お互いに義務を果たすことで結局は助け合いとなり、
言い争いのない町となりました。

これはいささか出来過ぎた話ですが、ありえなくもない話でしょう。
義務は“やるべきこと”ですので、
我欲を抑えるため堪え性がつきます。

誰かのため、何かのためにやることですから、
人助けの精神も養われます。

それに、やってもらって助かった人が、
また人を助けるので「互助」となるんです。

私たちは義務を、
“いやなこと”とか“損なこと”と考えてしまいがちです。

でもどうせやるならもっと積極的な心で
“やるのが当たり前”くらいの気持ちになりたいものです。

そうすれば自分自身も晴れやかな気分になれて、
世の中もよくなるんじゃないでしょうか。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。
■道場生に伝えたい“技は心に応ず”そして“拳足は警策なり”。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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