『もうひとつの先義後利』226 日本空手道建武館 篠田剛

2012-03-22

先義後利
義を先にし、利を後にする者は栄える

よく企業の社是・社訓に使われることばです。
企業の利益というのは顧客への義を貫き、
信頼を得ることによってもたらされるものだ。
そういうことだと思います。

利と義を使った言葉で「権利と義務」がありますね。
これもまた、先義後利。つまり…
権利を主張できるのは、義務を遂行した人間だけだ。
ということです。

駄菓子屋さんでお菓子を買いたいなら、まずがお金を払ってから。
お金を払わなければお菓子は食べられないことは、
子供の頃からわかっています。
順番が違ったら万引きです。
ドロボウと言われてもしかたありません。

空手の試合も同じ。
苦しい稽古を続けた結果、
そのご褒美に金メダルを獲得すればどんなに嬉しいことか。

頑張って苦労した暁に、
嬉しいことがやってくるのはまた格別なんです。

収穫を終えてから秋祭りでどんちゃん騒ぎ。
これなどもそうです。
日本人ならではのことというのもありますが、
やはりこの順序がよろしいようです。

苦労のあとに楽しみがある。だから苦楽。
義務を遂行してこそ存分に楽しむことができるのです。

武田信玄もこの順序がいいと家臣たちに話していますね。
自分のしたいことより、嫌なことを先にせよ、と。
子供たちに人としての徳を教えるためにも、
やはりこの順序なのです。

権利ばかり主張する人が増えたからでしょうか。
最近、特にそう思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。
コラムは毎日掲載していますので宜しければ明日もまた読んでみてください。

篠田 剛 SHINODA Tsuyoshi 日本空手道建武館 館長
■板橋税務署の近くで目にとまる“ガマン売ります”のポスター。そう、建武館はガマンを標榜しています。今、必要なのは弱者へのやさしさです。損をしても正しいことをする正義感です。

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※『空手のこころ』は2010年9月~2012年9月にマイベストプロ東京で公開した『館長コラム』を転載したものですので、掲載している記述は執筆時点のものであり現況とは異なることもあります。

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